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少ない暖房で札幌の冬を暖かく過ごすためには、高い気密・断熱性の備えが欠かせません。札幌の数ある住宅メーカーを調査し、世界でもトップクラスの数値を標準仕様にしているところをピックアップしました。
高気密高断熱の家の良さと言えば「冬暖かくて、夏涼しい」。熱が逃げたり入りこんだりする隙間を極限まで小さくし、断熱材によって外気温の影響を受けないようにすることで、冷暖房費を抑えながら1年中快適に過ごすことができます。季節によって温度差の激しい札幌での生活を心地よく、お財布にもやさしい毎日を過ごすには、高気密高断熱は欠かせない要素です。
実は家計にやさしいだけじゃないのが高気密高断熱の魅力。二重窓や複層ガラスなどで気密性や断熱性を上げることは、カビやダニの発生を抑制する作用もあり、喘息やアレルギーなどの健康リスクを軽減できます。また家のどこにいても暖かい室内環境を維持することで、室温差による血圧の上昇(ヒートショック)を抑える効果もあるんです。
画像引用元:「COOL CHOICE(環境省)」(https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/jutaku/report/infograffics/)
しかし、健康の影響まで考えて高気密高断熱の住宅を選んでいる人は少なく、国土交通省のアンケートでも「知らなかった」もしくは「理解をしたうえで対策を行っていない」と答える方が6~7割以上を占めています。小さなお子さんや年配の方と一緒に住む方はもちろん、家族みんながより長く健康に暮らすために、高気密高断熱に優れた住宅を建てられるかどうかは必ず確認しておきましょう。
高気密高断熱住宅を建てた場合には、下記のようなメリットが期待できます。
高気密高断熱住宅の大きな特徴として、「外の暑さや寒さの影響を受けにくい」という点が挙げられます。また、家の中の空気が外に逃げにくいといった点も特徴となっているため、家の中の温度を一定に保ちやすい点がポイントです。 この点から高気密高断熱住宅の場合には、夏や冬なども快適な温度の中で過ごすことが可能となっています。特に厳しい寒さの冬などには外の寒さの影響を受けにくい点は大きなメリットとして感じられるのではないでしょうか。
家の中を快適な温度に保てれば、室内の温度変化が少なくなります。このような環境であればエアコンなどの冷暖房設備の効きも良くなるため、光熱費を抑えることにもつながります。 高気密高断熱住宅を建てる際には、ある程度のコストがかかるといった面もありますが、光熱費が抑えられる面から月々のランニングコストが抑えられるメリットにもつなげられます。また、光熱費が抑えられることによって二酸化炭素の排出も抑えられます。
建物内部に発生する結露は、カビが発生して木材などの腐食につながってしまうため家の耐久性が損なわれてしまうトラブルが発生する場合があります。結露の発生には温度差と空気中の水蒸気が大きく関係していますが、高気密高断熱住宅の場合には、温度が一定に保たれて建物内部に結露が発生しにくいという特徴も挙げられます。 このように、断熱性が高い・機密性が高いといった特徴に加えて換気がしっかりと行えていれば、住宅が長持ちするメリットが得られる点も注目しておきたいポイントといえるでしょう。
住宅の高気密高断熱性を測る数値としてUa値(外皮平均熱貫流率)というものがあります。正確には、どのくらいの熱量が家の外に逃げてしまうのかを表す数値です。Ua値が小さければ小さいほど、気密性や断熱性能に優れた住まいの証明になります。ちなみに札幌でZEH住宅を建てるには、Ua値は0.4以下でなければいけません。省エネ住宅と呼べる家を建てるには、少なくともUa値0.4以下の気密・断熱性が不可欠です。
ここでは札幌の省エネ住宅基準を上回る、Ua値0.3以下を標準仕様にして家づくりを行なっている住宅メーカーをピックアップしました。札幌でUa値0.4以下は当たり前レベル。より家計にも家族にもやさしい家づくりを叶えられる会社を厳選しています。Ua値0.3は世界トップクラスの断熱・機密性能を持つと評価されているドイツのパッシブハウスに匹敵する数値。ほぼ暖房いらずで生活できると言われているレベルになります。
各会社の公式サイト・SUUMOなどに掲載されている施工事例を調査し、最低坪単価の安い順に紹介しています。
社名 | 坪単価 | Ua値 |
---|---|---|
イゼッチハウス北海道HPで施工例を見る | 52万円~ | 0.25以下 |
イワクラホームHPで施工例を見る | 54.2万円~ | 0.26以下 |
一条工務店HPで施工例を見る | 62万円~ | 0.25以下 |
リビングワークHPで施工例を見る | 65.6万円~ | 0.28以下 |
ホーム企画センターHPで施工例を見る | 67.1万円~ | 0.25以下 |
FPホームHPで施工例を見る | 72万円~ | 0.25 |
土屋ホームHPで施工例を見る | 86.3万円~ | 0.24以下 |
高気密高断熱の住宅を建てる際には、いくつか注意点があります。例えば下記のような点が挙げられます。
高気密高断熱の住宅は、家自体が屋外からの空気や湿度などを遮断する性能を持っているため、室内に空気がこもりやすいといった面もあります。そのため換気システムが重要なポイントとなってきます。 ただ、2003年以降の新築住宅では、24時間換気システムの設置が義務付けられています。この24時間換気システムは機械で換気を行うシステムであり、窓を開けずに空気の入れ替えを行えるものですが、システムが義務付けられた背景にはシックハウス症候群の予防を行うといった目的があります。 換気システムにはいくつか種類があるため住宅を建てる際には施工会社と相談しながら導入するようにしましょう。
住宅を建てる場合には、会社選びを慎重に行うことが大切です。それぞれの施工会社が持つ技術力や経験によって、住宅の性能が大きく左右されますので、しっかりと会社選びを行っていきましょう。施工会社をチェックするポイントとしては、下記のようなものが挙げられます。
坪単価:52万円~
モダンな印象を与えるツートンカラーでデザインされているこちらの住まい。完全分離型の2世帯住宅として設計されているので、玄関ドアが2つ設けられています。
断熱工法は、外側に加えて内側にも断熱材を設置する「ダブル断熱」を採用。それにより、高い気密性と心地よい室内環境を実現しています。間取りについては、施主が持つさまざまな要望を住宅に反映。リビングの広々とした窓からは、多量の太陽光が室内に注ぎ込みます。
施主の希望は、維持費がかからない断熱性を備えている点と自由設計ができる点の2つ。イゼッチハウス北海道の家づくりによって、どちらの条件も満たす住まいが完成しました。依頼の決め手のひとつとなったのは、見学会で体感した住宅内での足元の暖かさとのことです。
外観は、現代風のスタイリッシュなデザイン。外壁に使用されている建材は、劣化しにくい特徴を持つガリバリウムを採用しています。イゼッチハウス北海道の住まいの標準仕様は、外部へ逃げる熱量を表す数値であるUa値が0・25以下。高い省エネルギー性能を実現している点が、施主が建築会社を選ぶうえでの大きなポイントとなりました。暖房では、土間床を蓄熱するホットシステムを導入。それにより、住宅のどのエリアにいても暖かみが感じられるようになったとのこと。こちらの住宅で特徴的なのが、大きな吹き抜け。施主が持っていたこだわりが、自由設計によって実現しました。リビングダイニング周辺が吹き抜けになっていて、全体的に開放感のある住まいとなっています。
イゼッチハウス北海道の高気密高断熱性について電話で問い合わせる
坪単価:54.2万円~
イワクラホームの標準工法は2×6工法。2×4工法よりも幅広の構造材を使用して外壁に厚みを持たせることで、より高い気密性と断熱性を実現。こちらの住宅には、2×4工法と2×6工法の2つの工法が採用されています。
外観は、白にわずかに灰色・黄色が混じった「オフホワイト」と木質感のある外壁が合わさることで、今風でありながらもナチュラルな雰囲気を持つ仕上がり。
1階にある洋室は、間仕切りとして引き戸が使用できる設計。状況に応じて、リビングと洋室を同じ空間のように演出したり、別々の空間として区切ったりできます。シンプルなデザインの中に、施主のさまざまな要望が反映されている住み心地を追及した住まいです。
モダンで上品な印象を与える外観の住まい。車2台分の駐車スペースや庭は、アプローチを考慮した配置が行われています。住宅の大きな特徴は、吹き抜けとスキップフロア。吹き抜けで開放感あるつくりとなっているので、周囲に設置されている窓からたくさんの光を室内へ取り込めます。そして、スキップフロアにすることで、スペースを有効活用しながらも、全体的に広々とした印象を与える仕上がりでしょう。
工法は、2×4工法と2×6工法の2つを採用。「高気密」と「高断熱」の2つを備えている住まいに。外気温の影響をカットしながらも、室内に注ぎ込む太陽光を上手く利用して心地よい空間を演出しています。
坪単価:62万円~
片流れ屋根が特徴的なスタイリッシュな形状の住まいです。落ち着きのある外壁のカラーがシックな印象を与えます。夫人の冷え性を考慮して、暖かさに関しての住宅のスペックを重視していた施主。一条工務店の手によって、施主の要望を満たす住宅が完成しました。
こちらの住まいでは、外内ダブル断熱構法(2×6)を採用して、高気密と高断熱を実現。さらに、全館に床暖房を導入。これによって、一年中はだしでも気持ちよく生活できるようになったとのことです。そして施主のもうひとつのこだわりは、明くて清潔感のある空間。リビング、ダイニング、キッチンのクロスを白で徹底したのに加えて、フローリングや家具も厳選することで、理想とする住まいを演出しています。
和と近代のデザインが融合して、独特の上品な印象を感じさせるこちらの住宅。アプローチに飛び石のようにコンクリートを設置したり、洗濯物のブラインドで円の穴が開いている壁を設けたりしていて、個性を感じさせます。
住まいの特徴は、約26畳にも及ぶ広々としたLDK。施主は、子どものために夏や冬でも快適に過ごせる広い住宅にしたいという考えを持っていました。その希望を反映したのが、こちらの住宅です。
ほかにも高断熱性と高気密性を備えることで、室内環境は四季を通して過ごしやすさをキープ。以前よりも光熱費が抑えられるようになったとのことです。ほかにも、トイレや洗面を含んだすべての部屋に床暖房を導入して、冬でも温もりを感じやすい環境を実現。
坪単価:65.6万円~
「高断熱・高気密・省エネ」の3つの条件を満たす冬でも暖かく過ごせる家を探していた施主。加えて、内装には木をいたるところに使いたいという気持ちも持っていました。それらの希望を取り入れた住まいづくりを、リビングワークが手掛けました。
外観は、モダンなデザインがベース。その中に木を取り入れることで、上品でナチュラルな印象を与える住宅となっています。内装にはフローリング、扉、階段などの広範囲に木を多量に使用されており、屋内のどの位置からでも、自然の雰囲気が感じられる造りです。さらにこちらの住宅の特徴はUa値は0.31であること。木が多量に使われていて、高い気密性・断熱性能を持っているため、施主の希望条件を満たした住まいとなっています。
坪単価:67.1万円~
トリミングサロンを併設している住まい。デザインは、南欧風を採用。爽やかさや可愛らしさを感じさせる外観は、トリミングサロンの雰囲気にもマッチしています。施主の要望で屋根に太陽光パネルが設置されていたり、全窓がトリプルサッシになっていたりします。
そして、こちらの住宅はNearly ZEH(日照時間が短かったり屋根面積が小さかったりする住宅を対象としたZEHに準ずる基準)仕様。なので、気密性と断熱性でも高い基準を満たしています。
屋内は、全体的に開放感を感じさせるつくりです。吹き抜けのあるリビングは、上部の窓から太陽光を多量に取り入れることが可能。キッチンは子どもの行動をチェックしやすいようにオープン設計となっています。
ホーム企画センターの高気密高断熱性について電話で問い合わせる
坪単価:72万円~
モダンでシンプルな印象を与える外観の住まいです。2階のバルコニーは外部から見られにくいように設計されているので、周囲の視線を意識しないで利用できます。日差しを強く感じる場合は、電動ブラインドを使って日射をコントロールすることも可能です。
そして、住まいは高い断熱性と気密性を備えています。暑いときには外部からの熱を遮断して、寒いときには内部の熱を逃がしにくい構造です。1年を通して、快適に過ごしやすい環境を実現する住宅となっています。
こちらでは、プライベートゾーンが1階で、家族みんなが過ごすリビングやキッチン、ダイニングはすべて2階に配置。家事の負担を少なくするために、家事動線が考慮されたつくりとなっています。
坪単価:86.3万円~
施主のこだわりが詰まったこちらの住宅。デザインや機能については、細かく追及してプランを練り上げたとのこと。全体的に上品さを感じさせるシンプルかつシックなデザインに仕上がっています。吹き抜け天井を採用することで、LDKで開放感のある空間を演出。
広々とした印象を与える空間をつくるために欠かせないのが、収納スペースです。要所要所に収納を設けることで、収納力をアップしています。物が多くある状態でも、収納することですっきりとした状態が保ちやすいです。
そして、この住まいは、デザインや収納だけでなく高い断熱性能も備えています。そのおかげで、冬の寒い時期には、家の中がじんわりと暖かく感じるそうです。