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国土交通省は全新築の省エネ基準適合化を2025年に義務づけました。今回は2025年の省エネ義務化について紹介します。
2021年、国土交通省は、全ての新築住宅に対し省エネ基準適合化を2025年に義務付けることで合意しました。※1
新築住宅の省エネ義務化は、2013年頃から何度も見送られ検討されており、2020年度に見送られた主な理由は以下の通りです。
その代わり、建物が省エネ基準に適合しているかどうかメーカーや工務店に説明を義務付け、2019年5月「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律」(改正建築物省エネ法)として公布、2021年4月から制度として施行されています。※2
※1.参照元:改正建築物省エネ法 - 国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou.html)
※1.参照元:2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅・建築物の対策をとりまとめ(https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001027.html)
全ての新築住宅に省エネ義務化された場合、購入の際に何が変わるのでしょうか。
省エネ基準レベルがあまり厳しくない場合は、内断熱だけでサッシ機能を上げるだけで済むので、鉄筋マンションも木造戸建てもそれほどコストアップにはつながりません。しかし、省エネ基準のレベルが厳しくなる場合、木造の戸建よりも鉄筋マンションの方がコストアップする可能性が高くなります。
今のマンションは外側にタイルなどを貼り、内側に断熱材を入れています。しかし、省エネ基準レベルが厳しいということは高断熱にすることであり、その場合、コンクリートの外側に断熱材を貼ることになり、かなりコストアップします。
また、外側の断熱材の分だけ建物が大きくなるため、今までのように建物を敷地内一杯に立てることができず、売れる面積が減ってしまうでしょう。
義務化により省エネ性能が高くなった住宅は、住んでからの光熱費を抑えることができます。また、断熱性が高ければ結露しにくく長寿命化が期待できるので、不動産担保評価で有利になるかもしれません。
2025年から省エネ義務化された場合、日本住宅の省エネルギー性能は高まっていく可能性があります。具体的な基準の引き揚げや義務化のスケジュールは既に打ち出されており、今後補助金や金利優遇などのバックアップが行われていくでしょう。
そうなると、省エネ基準に満たない住宅は価値が下がると懸念するかもしれません。実際、1981年に耐震基準が大きく改正されたことで旧耐震建物が相場より安く取引されることは少なくありません。※3
基準を満たした省エネ性能住宅は初期費用が高いですが、高断熱性により快適な空間を維持できるので光熱費を抑えることができ、結露なども発生しにくく住宅が長寿命化しやすくなります。
そのため、長い目で見た場合、建築費が多少高くても十分お得といえるので、これから家を建てるなら省エネ住宅を検討してもよいのではないでしょうか。
※3.参照元:永大ハウス工業(https://www.eidaihouse.com/baikyaku/column/detail/20220308/551/)